コンバージョンにつながる!行動心理学から考えるサイトレイアウト
投稿者:Webマーケティング部
2013/11/15 10:27
この記事は約5分で読むことができます。
ディレクターの永田です。
Webサイトのレイアウトを決める要素はいくつもありますが、その中の一つに「行動心理学」という要素があります。
人の心理を理解できればユーザーライクなサイトがつくれ、コンバージョンにつながるサイトができると考えています。
ということで、早速、私が考える行動心理学の一部を用いたサイトレイアウト手法をご紹介します。
1.人が一時的に覚えられる情報は「4」つまで!
03-5457-1311
これは弊社の電話番号ですが、これを見て何か気づきましたか?
市外局番以下は「4」つに区切られています。
これは「4つの情報の塊」にすることで、情報を覚えやすくなるからなんです。
20世紀中盤の学説では、人が一度に覚えられる情報の数は「7±2」と言われてきました。しかし、21世紀に入り、ネルソン・コーワンの[マジックナンバー4※1]という論文によって
人間が一度に記憶できる情報の数は「4つ」
であるという研究結果が発表され、現在はこの結果が定説化しています。そして、4つの情報を一塊としたのが現在の電話番号の表示方法というわけです。
キャッシュカードやクレジットカードなどのパスワードに4文字が多い理由も、このような学説からきているのでしょう。
この考えをWebサイトに応用するには!
情報のグルーピング
サイトの情報(コンテンツ)をできるだけ「4つの塊」にすることです。
ユーザーに届けたい内容をできるだけ詳細に洗い出し、
情報をグルーピングし、4つ程度まで落としこみます。
例えば、ターゲットが4つ以上の多岐にわたる場合、そのままターゲット別のリンクを付けるのではなくニーズ別にターゲットを分け、できるだけ4つ前後のグループに分けるというやり方です。ターゲットベースのカテゴリ分けからニーズベースのカテゴリ分けにすることで効率よくグループ分けできます。
■例
まとめ
情報を4つ前後に精査することで、ユーザーを効率的に下層ページへ誘導できます。
また、綺麗に情報がレイアウトされたサイトは見た目にも美しいです。
デザイン面から見ても、良い印象を与えることができると思います。
もう一つご紹介します。
2.情報は少ないほど正確に処理される!
人間の頭脳は一度に大量の情報を処理できません!
大量の情報を詰め込み過ぎて、どこを見ていいのか、どこをクリックしていいのか分からないようなサイトをよく見かけます。そのようなサイトはすぐに離脱してしまうか、ユーザーが欲している情報を提供できず、目的のページまで誘導できません。
ユーザーに情報を正しく伝えたいならば、
一度に目に入る情報を絞り、できるだけ余計なものは排除。シンプルにする。
必要があるということです。
この考えをWebサイトに応用するには!
できるだけ情報を出さないように、画像とスペース主体のレイアウトをつくりましょう!
と言いたいところですが、
多くの場合は「事業」「商品」「サービス」の紹介を文字でする必要がありますし、
その情報を複数のターゲットに合わせて提供する必要もあります。
段階的表示手法
その時に重要な考え方が「段階的表示※2」です。
これは、ユーザーがその時点でほしい情報をほしい分だけ提供するというものです。
一度に表示させる情報を少なくすることで、正しい情報を伝えることができます。
具体的には
step1.ターゲット別に4つのカテゴリにまとめた情報を設置
step2.そのグループをクリックすると詳しい説明が表示させる
step3.さらに詳細情報を知りたい人はページ遷移する、というような手法です
■例
こうすることで正しい選択肢を選べるようになり、ユーザーを正確に効率的にコンバージョンへと導くことができます。また、情報を細く整理できるので、多くの体験・知識レベルに合わせたターゲットニーズにも対応できます。
ターゲットがサイト内でどのような動きをするかを踏まえ、
サイト設計時に導線をしっかり敷いておくことが前提ですが、
それさえできれば「段階的表示」でユーザーにストレスを与えることなく情報を提供できます。
まとめ
情報はグルーピングして認識しやすく
グループは3~4、グループの中の情報も4つ前後に。
情報は詰め込み過ぎない
できるだけシンプルに。
大量の情報は一度にすべて出すのではなく、
ユーザーのニーズに合わせて切り分けて提供する。
今回ご紹介したのは、あくまで私がレイアウトを組む時に考えていることです。
制作をしている方は無意識に行っていることかもしれませんが、意識することでより効率的に作業が進むと思います。サイトを見るユーザーの方は、行動心理学の観点からサイトを眺めてみるのも面白いかもしれませんね。
それでは失礼致します。
※1 [魔法の数4 - ネルソン・コーワン 2001]
[The magical number 4 in short-term memory:A reconsideration of mental storage capacity]
※2 [段階的表示 - J.M.ケラー 1987]
[Development and use of ARCS model of instructionl design]
参考:インターフェイスデザインの心理学 オライリー・ジャパン 2012
【編集担当:永田】